映画 KUBO/二本の弦の秘密 を観てきた!!

2017年12月3日

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あまり告知もされていなかったので、知らない人も多いかもしれない映画「KUBO」

アメリカのストップモーション・アニメで、昔の日本を舞台にした少年クボの冒険の物語です。

ネットで予告編を見て感激したのでその勢いのまま観に行ってきました。今回はその感想を少しネタバレしつつ語ります。

「KUBO」あらすじ

小さな村で心を病んだ母と2人で暮らしている少年クボ。三味線をかき鳴らすと折り紙を意のままに操ることができるという不思議なチカラを使って、物語を綴る大道芸を生業としています。

ある日、母との約束を破り 夜、村を歩いていると突然叔母と名乗る闇の姉妹に追い掛け回されるクボ。間一髪そこへ母が現れ、命を賭してクボを逃がします。

母の最後の言葉「3つの武具を見つけなさい」の言葉に従って、木彫りの人形だった「サル」、呪いによってクワガタにされたサムライの「クワガタ」と共に旅をしていくクボ。最後には月の帝との戦いが・・・。

一応、あらすじを書いてみましたが公式サイトのトレーラーを是非見てください!この映画の魅力はお話ではなくて映像なんです。予告編だけでも素晴らしさは十分伝わりますよ。

ストップモーションアニメの世界

ストップモーション・アニメとは

人形などを1コマごとに動かして撮影し、あたかも動いているように見せる撮影法です。「ひつじのショーン」などが有名です。

KUBOは103分の上映時間ですが、1週間で製作される尺の平均は3,31秒という気の遠くなるような作業を経て作り上げられています。クボの表情の数だけでも4,800万通りというのですから驚きです。

人物の動きも良いのですが、やはり 折り紙の殺陣や落ち葉の船、ガシャドクロの作り込みや動きは必見です!!

KUBOの魅力

お話は古典的な日本の昔話っぽい作り。「親子、人情、大きな敵との戦いなどの冒険活劇としてワクワクしてハラハラして涙ぐむ」といった作りです。

冒頭、母が赤ん坊を背負い荒れ狂う大海原を小さな船で突き進むシーンから始まりますが、その迫力、荘厳な雰囲気には圧倒されます。「この映画を観に来てよかった!」とまず思うシーンです。

その後、クボが村で三味線を弾き折り紙を操りながら物語を紡ぐシーンでは「折り紙が自在に動く不思議さ」「その動きの繊細さと迫力」「それらがストップモーション・アニメで根気強く作られているという事実」が感動としてドカンと身体に響いてきます。そこに流れる三味線の巧みな情景も何もかもが素晴らしい。

主人公が旅をするのでいろんな場所にどんどん舞台が移りますが、背景も絵巻物のように様々な風景が描かれています。

日本をかなり勉強されたようで、鬱蒼とした山や建物の狭さ、日本独特の色味など、かなり丁寧に和風の世界が広がっています。日本人がみたら「これ中国?ベトナム?」みたいな事ってありがちですが、この映画ではほぼ上手に日本を描けていると言っていいと思います。

残念なところ

アメリカ製なのでしょうがないところではありますが、リアクションがオーバーなんです。人物も背景も色味さえも和風なのに演技がアメリカンってところは日本人が見るとどうしても違和感に感じてしまいます。

ストーリーに係るところでは、親子関係が日本人ぽくないとも感じました。

話の作りが「おとぎ話」なのに親子の感情がアメリカ人ぽいんですね。言葉で説明するのは難しいですが、

日本の場合「心の奥で受け止める気持ち」「自分の感情を一度飲み込んでからにじみ出る表情」といったじんわりとした控えめな感情表現が

アメリカの場合「オー!マミー!大好き!!」「初めてあったけどお父さんなんだね!大好きだよ!」と前のめりに感情を打ち返す感じ。

例えば、浦島太郎が亀を助けた後

日本では「お礼に龍宮城においでください」「いやいや、大したことはしてませんので」「是非お礼をさせてください」

アメリカでは「浦島サンキュー!お礼にごちそうするよ!」「マジ!?行くいく!どんなトコ?」「乙姫マジ美人!紹介すっから!」

みたいな違い?

情緒の捉え方が違うんですね。そこが感動シーンでイマイチ泣けなかった要因かな。ディズニー映画が大好きな人ならば、もしかすると自然に見れるのかも?

吹替版をみた

この映画、実は声優が豪華で「サル」をシャーリーズ・セロン、「クワガタ」をマシュー・マコノヒーが演じています。そちらも是非見てみたかったのですが、時間の都合上、吹替版を見ることになりました。

アニメの吹替えはやはり今旬な俳優さんで話題作り!のイメージがありますが、KUBOは主人公クボに矢島晶子さん、サルに田中敦子さんとかなり堅実なキャスティングです。

矢島さんはクレヨンしんちゃんのしんのすけで有名です。洋画でも子役の吹替えを沢山していらっしゃいます。

田中さんも洋画でニコール・キッドマンなどの女優の吹替えが多い声優さんです。

ボイスキャストとして宣伝活動しているのは

ピエール瀧さんと川栄李奈さん。ピエール瀧さんは演技も声の仕事も実力派で安心していましたが、問題は川栄さん。ドラマではなかなか上手な方だと思っていましたが、声の演技はどうかなと不安でした。が・・・

めっちゃ上手いやん!?

あれ?アニメの声優さんかな?と思うくらいステキな演技でした。感情の起伏のない下手くそが演じれば一本調子になる役どころなんですが、しっかり怖さと不気味さが伝わってきました。

日本語のタイトルが・・・

日本語のタイトル「クボ 二本の弦の秘密」これは三味線の弦に秘密が隠されていて、それを解き明かしていくことがラスボスに勝つ決め手になると思いますよね?

実は、秘密なんてないんです。確かに、映画を見ている観客には「この弦にはこういう意味があったのか!」と唸る設定はありますが、劇中には弦は秘密として存在しません。

原題の「KUBO AND THE TWO STRINGS」クボと2つの弦 の方がよっぽど内容に沿ったタイトルです。ファンタジー要素として「秘密」を持ってきたと思うのですが、これは余計でしたね。

最後に

アニメーション映画ということで大人が見るものじゃないと思っている人もいるかもしれません。しかし、この映像美は是非映画館で楽しんでもらいたい作品です。難しいストーリーでもないので、もちろんお子さんと一緒にも楽しめます。

この映画を見て、ストップモーション・アニメの世界に心惹かれた人は・・・。

ティム・バートンの「コープスブライド」

クレイアニメ「ひつじのショーン」

スタジオライカ「コララインとボタンの魔女」

などもオススメです。

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それでは次の記事で!